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執筆者の写真生 吉村

金沢暗渠ツアーの振り返り、そして展示へ

更新日:2月3日

昨年のことになってしまいますが、11月に金沢市にて、「用水の街金沢」さんにお呼びいただき、用水WALKERS のシリーズの一つとして、暗渠ツアー&トークをやらせていただきました。しかも、高山式と吉村式の二本立てで。


実施までの間は何度も金沢に足を運び、現地調査と文献収集を繰り返しました。わたしにとってはその過程もとてもおもしろかったのです。

辰巳用水はとても有名だけれど、他にもたくさんの用水が市内を縦横無尽に流れている。

市もそのことをPRしている。

古地図、文献も色々。なんと「古今金沢」なる無料アプリまであり、江戸と大正と現代を比較することができるのです。つまり、充実した用水情報があり、その中から暗渠を見つけ出していく(一番最初は、文献情報は置いておき現代の地図から暗渠を探したのですが)。


時々、金沢の暗渠カレー(開渠の時も)を作ったりなんかして。


金沢における暗渠サインの独自性もあってそれも興味深いわけだけれど、さまざまなものが「復活」を遂げている都市であり、暗渠も2000年代以降に随分と開渠化されているというまち全体をつらぬく特徴も感じられてくる。そのため、どのエリアでどうコースを組むか、という選定にも時間を要しました。


最終的に、わたしは東茶屋街を舞台に選び、江戸時代に遊郭の中を走り抜けていた水路の歴史と今を追う話をしました。あの観光地東山に眠る、暗渠と多数の水路跡を。

「カフェたもん」という、非常に素敵な空間で、パンケーキ付き(このパンケーキがまた激うま)でトークを始めます。



トークの後は、東茶屋街に繰り出します。

どうも変わったツアーをするらしいということで?、TV局の撮影も入っていただいてました。ありがたやありがたや。



雰囲気を出すために和風の服を着て地下足袋を履いていったのですが、うっかり地下足袋の後ろを留め忘れ、布がピロピロしています。ああ恥ずかし。


ここから一行は、ただひたすら川の跡を意識しながら歩いていきます。

暗渠が建物に入っていくところを皆で眺め、



東茶屋街に残る川の軌跡を追いながら進み、他の水路跡(←古地図を使ってこれを追うのもすごく楽しい)も見ながら、浅野川に到着。


そして浅野川の対岸には主計町という遊所がありますが、そこにも建物の下を通過する水路があるので、付近を歩いていきます。



水門がどこの会社製なのか、ということにもちょっぴり注目しつつ。水門前で皆で写真を撮ったり、暗渠を覗ける八百萬さんに入らせていただいて皆で覗いたりして、解散。


暗渠を軸に探っていくと、東茶屋街にも水路と関係する建物や場所があることがわかります。文献からは探りきれないことを地元のかたがご存知だったりして、用水の街金沢さんに聞き出していただいた地元情報、とても貴重でした。


午後は高山式。これまた和、かつおしゃれな空間でのトークからスタートです。金沢って、こういう建物がイベントに使えて、じつに素晴らしいですね。(用水さんのセレクトがまた格好良い!)



で、トークして、暗Qをやって、街に繰り出して水路上観察をしてビンゴして。

ビンゴをすることにより、意外と通常よりも注意深く景色を見るようになり、新しい発見もありました。←ということも発見でした。


この奥の私有橋、よかったなあ。私有橋といえば「金沢民景」のタイトルにあります。歩きながら、金沢民景さんが独自にインタビューされた際の情報なんかも教えていただけるという、おいしいまち歩きでした。


この私有橋にまつわるものがたり。とてもいいインタビューです


金沢も他の都市同様、ある時代に暗渠化がされたのだけれど、これまたある時期にその暗渠をどんどん開渠化していて。なので、現在は暗渠が結構貴重だったりします(用水路自体がとても多いので、もちろん暗渠もそれなりにあるけれど)。

また、開渠を歩きながらその場所の暗渠時代を偲ぶという、通常の暗渠ツアー(暗渠上で開渠時代を偲ぶ)とは逆の倒錯した状況もあって、わたしはそこも金沢のとてもおもしろいところだなあ、と思っています。


ここは貴重な暗渠部分ですね。



ってな感じで暗橋公園まで歩いて、解散。

これらのツアーの振り返り写真を参加者のみなさまからいただき、そして、展示もさせていただきました。(というか、現在も展示中。)


展示は、「用水WALKERSアルバム展」と、もうひとつ、「「暗橋」で楽しむ金沢さんぽ展」のダブル展示。1月24日から2月4日まで、オヨヨ書林せせらぎ通り店さんにておこなっています。



そう、「暗橋」の展示も、くっつけてしまいました。


これは11月の暗渠ツアーでは組み込めなかったものも含む(暗橋どうしが遠いので)のですが、調査開始直後から温めていたもの。


オヨヨ書林せせらぎ通り店さんは鞍月用水のすぐ近くにある、とっても素敵な古本屋さんです。


オヨヨさんの場所をカレーで示すとこんな感じです(笑)



入るとすぐ左手に展示スペースがあり、奥の小部屋にパネルがあります。


手前では物販を。


今回のために特別に作っていただいた、香林坊橋サブレ(A.K.laboさん特製)。




激うまです。ほんとに。





そしてこんなに用意したのに、もうほぼ売れてしまった模様です。


マニアパレルさんのご協力により、暗橋アパレルも売られています。



暗橋Tシャツと、水路敷Tシャツが誰かに着てもらうのを待っています。


吉村式ツアーの内容を冊子化した、「水辺の異界」もこのために作成。



デザインを用水の街金沢さんにしていただいたことで、なんとも格好良い仕上がりになってます。


そして金沢民景の最新号は「暗橋」!



感無量です。暗橋展示とこの民景セレクト暗橋は、被ってないものが結構あって。そこに民景さんらしさがすごく出ている。展示ではこれらの対比もできるというわけです。


その顔ハメ的撮影スポットがこちら。暗橋のロゴを持って写真を撮ると、自分が金沢民景の拍子になれる「ロゴハメ」コーナーも特設されています。



ぜひ自由な発想で撮っていただきたい!


そして、これらのグッズ購入をしてくださった皆さまには、金沢暗橋クリアしおりを差し上げています。



巴橋、名無し橋、香林坊橋、枯木橋、から選べます。

じゃんじゃん貰っていただけるとうれしいです。


なお、売り上げの一部は、能登に寄附させていただきます。


オヨヨ書林せせらぎ通り店さんは、2月末に閉店されてしまうそうです。この時期に展示をさせていただけたことを、とても光栄に思います。


展示も、残すところあと2日。金沢の皆さんに、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。


金沢のまちの魅力を、自分たちの視点から深く知り味わうことができたのは、暗渠マニアックスにとって本当に幸せな経験でした。縁をつないでくださった路上園芸の村田さん、関係者の皆さま、ご参加の皆さま、展示を見にきてくださった全ての皆さまに、深く感謝申し上げます。


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